2025/01/27 16:06
はじめまして。
ガラスおもちゃ工場長
兼
消しゴムはんこ職人
のほんださくらです。
このたび初めてのブログを書いてみます。
内容は現在販売中の2025年カレンダーについてです。
当作品は、"カレンダー"を名乗るには少々おねだんがガツンとしています。
それはなぜかというと、消しゴムはんこを用いて一枚いちまい手作業で刷っているからなのです。
さらには1日(ついたち)の始まる位置×七曜日分、つまり1〜31までの数字が全て並んだ大きな版を7パターン彫った上、各月のイラスト部分のはんこも制作しています。

あまり手間の話はしすぎないようにしたいのですが、この数字のちっちゃさとそれを彫り落とさないこの技術!すごいでしょ!
と言いたくなっちゃいます。
それにちょびっとでいいので、消しゴムはんこ特有の苦労を知ってもらいたい。
だってだって、見てください!この悔しいの!

なにを思ったか、5日と6日が存在しない版をつくってしまったのです。
1 2 3 4 7 8 9 ...
しかもほとんど彫り終えてから気がつく。数字の縁取りも終わっており、このクリーム色の部分を取り除くだけで完成というところまで成し遂げていたのです。
一度刃を入れてしまったらやり直しが効かないのも、消しゴムはんこのおそろしいところです。
この場合は全く救いようのない失敗ですが、彫り落とし方次第ではうすくボンド付けして復活させる強硬手段も有効です。
けれどもボンド分だけ版の上面の高さが変わってしまって、微細なズレが生じるのでやりません。
それがわたしの美学_
これがあるから、いやという程、マメに確認作業をしていたのにこの仕打ちです。確認作業がほんまに苦手。

かなしいからこれはのちにアートとして昇華してやるんだと、やけくそでBASEに商品登録しといた。
販売するかは置いといて。
偶然生まれた、というか失敗をなんか良いように言ってみただけのものですので。
でもたぶん、けっこうかわいいものができると思うんだよねい。乞うご期待

版ができてしまえば安心、あとは捺すだけ
なんですが、消しゴムなので柔らかく、トンボのような目印をつくってそれに合わせて捺しても、少しずつ差異が生じることがあります。これもなかなか、手先の感覚と長年培った目測でこそ狙ったように刷ることができるものだったりして。
最後まで集中のいる作業がつづきます。

紙ものの印刷物って、ズレやにじみ、かすれが良さだったりもしますよね。活版印刷やシルクスクリーンなどと同じように、消しゴムはんこの個体差も愛されてほしいと願っています。
紙の上に乗るすべての色に指先と視線と神経ときもちを集中させているので、制作したもの全部ぜんぶに愛着があります。
なにが言いたいかというと、1枚にかける愛情がスッゲ〜でかいということ。
手づくりのものに関しては当たり前のことではありますが、「一つとして同じものがありません」というやつ。
流れ作業ではなく、1枚1枚モチーフにした写真やその時の記憶と照らし合わせて、たいせつに向き合っています。
にんげんが手作業でつくるものがどんどん減少していくこの星で、だれかの手が愚直につくったものからしか感じられない"なんか、良さ"みたいなものは消滅しないと信じています。
信じて、います!

キラリン~✴︎